まくらのまっくらぁ
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歴史の生き物 4
第4話
3話から大分間が開いちゃったけど
なんとか書きました
やっとこの話の本題に入れる

SHI



 整然と並ぶ本の群の中で、小さなお団子髪がちらちらと動くのを横目に見ながら、真綾は手近にあった携帯小説を読んでいた。
 2人は市内でも一番規模の大きい書店に来ている。明治時代からのロングセラーからつい最近のベストセラーは当たり前に充実しているし、いまブームの携帯小説や、芸能人の書いた(かもしれない)本、と思えばビジネスやカトリックの聖書なんていうものまで、実に幅広く取り扱っている。真綾一人ならばここまで大きな店でなくても十分なのだが、絵梨が求める本はあまり小さなところであると置いてないことがしばしばある。
「旧石器時代のシリーズは……」
 いつの間にか近くに来て本棚を見上げている絵梨がつぶやいた。
「旧石器時代?ちょっと古すぎない?」
 真綾は本を元の位置に戻して、絵梨と同じように本棚を見上げる。
「うんとね、やっぱり人類の起こりって言うか、何かと資料も少なくて分からないこともある時代でしょ?だから時代の基本に立ち返って読んでみようかなぁ・・・・と」
「……そう」
「うん。調べてみると意外と面白いの。昔の昔、そのまた昔の人々が、二足歩行になって知識を得た過程なんか、なんとなく脳科学的な分野にも被ってきて、のめりこんじゃうの」
 歴史のことを語るとき、絵梨が背筋をぴんと伸ばすのは彼女の癖である。たぶん、先祖に対する礼儀の表れだろうと思う。
「絵梨ってさ、何気にやっぱり頭いいよね」
「……そんなことないよ。まぁちゃんの方が断然頭いいじゃん」
「そりゃ……」
 普通の市立中学に通っている絵梨に対して、真綾は県内でも有数の受験校に見事合格し、2年になった今でもその上位10位をキープし続けている。
「でも、絵梨ちゃんも受ければ受かってたと思うよ」
「受からないよ。だって私はまぁちゃんじゃないもん」
「なにそれ……」
 真綾が肩をすくめてクスリと笑う。絵梨は精一杯背伸びをして分厚い本を一冊抜き出す。全体重を掛けて必死になっている様は、傍から見ると微笑ましい限りである。
「じゃぁ、見つかったらそのまま会計済ましなよ。私はあっちで適当に時間つぶしてるからさ」
「わかった」
 真綾が雑誌コーナーに歩いていくのを見送ってから、絵梨は自分の背丈の倍以上は裕にある本棚の列を、奥へ奥へと歩いていく。こうして本の中を進んでいると、あたかも自分が時を遡っているような気になってしまう。
「ここでも最終巻まで揃ってなかったらどうしよう……」
 一人でつぶやきながらさらに歩くと、行く先に何か黒いものが横たわっていた。
「なんだろう?」
 不審に思いながら近づいていってみると、やがてそれが床に座り込んで本を読んでいる男だということが分かった。
 彼の着ているものは奇妙なことにすべて黒で統一されており、つばの広い帽子を目深にかぶっているため、彼の年齢や表情は分からない。しかし、あたり一面に読み散らかされている歴史書を見て、自然と絵梨の歩調は速く荒くなった。
「ちょっとすみません」
 乱暴な調子で言うと、男は顔を上げたのだろうか、帽子がかすかに動いた。
「大切な本を、こんな風に散らかして乱雑に扱うのは、どうかと思います。今すぐもとの位置に片付けるべきです!」
 ちょっと動揺したように黒く大きい帽子が揺れた。
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コメント
この記事へのコメント
こんにちは。オパーリン国王と申します。
先日、僕のブログに足を運んでいただきコメントをしてくださったみたいで、どうもありがとうございました。
「歴史の生き物」1-4まで読ませていただきました。
情景描写など、文章を書くのがとても上手いですね。
続きが読めるのを楽しみにしています。
では、
失礼いたします。
2010/05/04(火) 01:57:10 | URL | オパーリン国王 [編集]
はじめましての感想です
はじめまして。

『歴史の生き物』とても興味深く拝見しました。
では、4話までの感想など。長文ご注意ください。

■主人公
歴女を主人公にしたのは、とてもよいアイディアだと思いました。
今後の展開がどうなるかわかりませんが、
できれば歴女という個性を生かしたストーリーになっていくといい感じです。

■会話文
とても生き生きしていますね。
中学女子の口言葉が違和感のない会話文に書き換えられているので、
雰囲気がよく表現できていると思います。

■地の文
かなりの情景描写力ですね。書店の光景が目に浮かぶようです。

基本的に三人称多元視点ということでよろしいでしょうか。
たまに不意の視点移動におや? と思うことがありますが、許容範囲内。

■まとめ
全体的には、この方向性でいいと思います。
特に描写力が秀逸。これをどんどん磨いていってほしいと感じました。
今後に期待です。
がんばってくださいっ!


さてここから、細かい点でいくか気になったところをあげておきます。
本質的な事柄ではないので、読み飛ばしていただいても結構です。





■数字表記
漢数字表記とアラビア数字表記が混在しています。
たとえば『一人』と『2人』とか。
どちらかに統一されたほうがよろしいかと。
この文体であれば漢数字のほうがより引き締まると感じます。

■三点リーダと『中黒』
三点リーダを使うべきところで『中黒』表記しているのは、あえてなのでしょうか。
具体的には『歴史の生き物 4』の

『だから時代の基本に立ち返って読んでみようかなぁ・・・・と」』

という会話文です。
私にはそれほどの必然性を感じられなかったのですが。

■リーダビリティの観点から
多くの人に読んでもらうためには、
リンクの張り方を工夫されたほうがより親切だと思います。

今回、私は『歴史の生き物 4』を読んでから以前の話を読み返そうとしたのですが、
カテゴリの「小説」から一を探して、次を読むために一度カテゴリに戻って……という
作業を繰り替えすことになりました。
今回は四話だったのでまだよかったのですが、
これが十話、二十話となるとはたしてどうでしょうか。

ぜひ各話の最後には、次の話に飛ぶためのリンクを設置してほしいです。
それとできれば目次とあらすじも。

もしひとりでも多くの人に読んでもらいたい、
と考えられていらっしゃるのでしたら、
そういう読み手に対する工夫もされたほうがいいと思います。

せっかくこれだけ書けるのに、
そういう本質的でない部分で読んでもらえなくなるのは、
とてももったいないっ!

ぜひぜひ、ご一考ください。

■追記
ここからはかなり好みの話になります。あくまで参考程度に。

段落間の間隔や文の間隔が詰まりすぎていて、
大人がブラウザで読むのは少し辛い気がします。

紙の本であれば全然OKですが、ブラウザなどで読む場合は事情が異なります。
それらの間隔にもひと工夫あると、より読みやすくなると思います。

あちこちの小説サイトなどで採用してる形式は
・段落ごとに一行くらい開ける。
・行間は0.5~1文字くらい開ける。
というのが多いと感じます。

このあたりは好みですし、
場合によってはHTML/CSSの知識も要求されてくるので、
難しい問題ですけれど。

参考資料
http://yurimixworld.blog129.fc2.com/blog-entry-8.html

それでは、長文失礼いたしました。
2010/05/03(月) 06:19:31 | URL | あっとあとみっく [編集]
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